「マウスピース矯正はおすすめしない」といった声を見かけて、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
マウスピース矯正は目立ちにくく、通院回数が少ないなど多くのメリットがある一方で、すべてのケースに適しているわけではありません。装置の装着時間を守る自己管理が必要であり、歯並びや骨格の状態によってはワイヤー矯正の方が適している場合もあります。
本記事では、マウスピース矯正がおすすめしないと言われる主な理由や、どのような人に向かないのかをわかりやすく解説します。
マウスピース矯正がおすすめしないと言われる4つの理由
毎日20~22時間以上着用する必要がある
マウスピース矯正では、装置を1日20~22時間以上装着することが基本とされています。食事や歯磨きの際には取り外せる点がメリットですが、その分、患者さまご自身が装着時間を管理する必要があります。
装着時間が不足すると歯が計画通りに移動せず、治療期間が延びたり、歯並びの改善が十分に得られなかったりする可能性があります。
また、次のマウスピースへの交換も患者さまで行っていただくため、スケジュール管理が苦手な方にとっては負担に感じることもあります。
マウスピース矯正を成功させる上で、装着時間や交換時期、装着方法を十分に理解して管理することは非常に重要なポイントです。
かえって噛み合わせが悪くなることがある
マウスピース矯正は計画に基づいて歯を少しずつ移動させていく治療ですが、治療計画が適切でない場合や装置の装着時間が不足している場合には、噛み合わせのバランスが崩れてしまう可能性があります。
特に、奥歯の噛み合わせの調整が必要なケースでは、歯の動きが想定通りに進まないと上下の歯がうまくかみ合わなくなることがあります。
また、マウスピース矯正では矯正装置の特性上、歯が直接噛み合わないような状態で過ごすことになります。装置を外した時のことを加味して治療計画を立てていれば問題ありませんが、人によっては最終的に装置を外した時に噛み合わせに違和感が残ることがあります。
治療できる歯並びが限られている
マウスピース矯正は多くの歯並びの改善に対応できますが、すべての症例に適しているわけではありません。
例えば、歯の大きな移動が必要なケースや、骨格的な問題が関係する噛み合わせの不正、重度の叢生(歯のガタつき)などでは、ワイヤー矯正の方が適している場合があります。
抜歯を伴う矯正治療や複雑な歯のコントロールが必要なケースでは、マウスピースだけでは十分な力をかけにくく、ワイヤー矯正の方が早く確実に治療が進むことがあります。
歯科医師の技術や知識で仕上がりが大きく左右される
マウスピース矯正では、治療開始前に歯の移動をコンピュータ上でシミュレーションし、それに基づいて複数のマウスピースを作製します。シミュレーションは歯科医師の指示のもとに作製されるため、担当の歯科医師の知識や経験が仕上がりに大きく影響します。
歯の移動量や順序、補助装置の使用などを適切に判断できなければ、計画通りに歯が動かず追加の治療が必要になる場合もあります。
また、治療中の経過確認やトラブルのリカバリー、微調整も重要なため、矯正治療の経験が豊富な歯科医院で相談することが大切です。しかし、知識や経験が治療結果に大きく関わってくる点はワイヤー矯正でも同じであり、矯正治療を行う際にはどの方法を選択したとしても医院選びが重要になってきます。
マウスピース矯正をおすすめしない人の特徴
自己管理ができない人
マウスピース矯正は、患者さま自身が装置を管理しながら進める治療方法です。基本的には1日20~22時間以上の装着が必要で、食事や歯磨き以外の時間はできるだけ装着しなければなりません。
装着を忘れたり外したまま長時間過ごしたりすると、歯が計画通りに移動しない可能性があります。
その結果、治療期間が延びたり、歯並びの改善が得られなくなったりすることもあります。また、マウスピースの交換時期を守ることや装置を清潔に保つことも重要です。
こうした管理が難しい方の場合、固定式のワイヤー矯正の方が適しているケースもあります。
インビザラインの交換頻度について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
虫歯・歯周病などがある人
虫歯や歯周病などのトラブルがある場合、マウスピース矯正をすぐに始めることはおすすめできません。マウスピースは歯全体を覆って歯に力をかけていく装置のため、虫歯がある状態で装着すると内部で細菌がとどまりやすくなり、症状が進行したり、最悪の場合歯がかけたり折れたりする可能性があります。
また、歯周病によって歯ぐきや歯を支える骨が弱っている場合、矯正による歯の移動が歯周組織に負担をかけることもあります。そのため、矯正治療を始める前には虫歯や歯周病の治療を優先し、口腔内の状態を整えることが大切です。
健康な歯と歯ぐきの状態を保つことが、矯正治療を安全に進める前提となります。
インプラントが入っている人
インプラント治療を受けている場合、マウスピース矯正の治療計画に制限が生じます。インプラントは顎の骨と固定されているため、矯正治療によって位置を動かすことができません。
そのため、周囲の歯だけを動かして歯並びを整える必要があり、理想的な歯並びの獲得が難しくなる場合があります。特にインプラントが前歯付近にある場合、歯並びのバランスを整えることが難しくなりやすいです。
ただし、「インプラントが入っていると矯正治療ができない!」というわけではなく、治療方法を工夫して対応できることも多くあります。自己判断せず、歯科医師による診断を受け、適切な治療計画を立てることが重要です。
歯が埋もれていたり斜めに生えていたりする人
歯が歯ぐきの中に埋もれている埋伏歯がある場合や、歯が大きく傾いて生えている場合は、マウスピース矯正だけで治療することが難しいことがあります。このようなケースでは、歯を引き出したり大きく動かしたりする処置が必要になるため、ワイヤー矯正などの方法の方が適している場合があります。
マウスピース矯正は軽度から中程度の歯並びの改善に適している一方、歯の位置を大きく変えるような症例では十分な力をかけにくいことがあります。そのため、歯の生え方や位置によっては、別の矯正方法を併用した方が治療を進めやすい場合もあります。
重度の叢生や上顎前突など歯並びが極端に悪い
歯が大きく重なり合う重度の叢生や、前歯が強く前に出ている上顎前突など、歯並びの乱れが大きいケースではマウスピース矯正だけでは対応が難しいことがあります。このような症例では抜歯を伴う矯正治療や大きな歯の移動が必要になり、ワイヤー矯正の方が効率的に歯を動かせる場合があります。
また、骨格的な問題が関係している場合には、外科的な治療を含めた矯正治療が検討されることもあります。マウスピース矯正は多くの歯並びの改善に対応できる治療方法ですが、すべての症例に適しているわけではありません。
歯並びや骨格の状態を正確に診断したうえで、最適な治療方法を選択することが大切です。
それでもマウスピース矯正がおすすめな理由
マウスピース矯正にはデメリットや、合わない方もいらっしゃるのは事実ですが、それでもマウスピースにはお勧めできるポイントがいくつもあります。マウスピース矯正の代表的なお勧めポイントを以下でご紹介いたします。
取り外しができてケアがしやすい
マウスピース矯正の大きな特徴は、装置を自由に取り外せる点です。
ワイヤー矯正の場合は装置が歯に固定されているため、食事や歯磨きの際に食べかすが装置の周りに残りやすく不便を感じることがあります。一方、マウスピース矯正では食事のときに装置を外すことができるため、普段通りに食事を楽しめます。
また、歯磨きやフロスなどの口腔ケアも通常通り行えるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えながら治療を進めることができます。矯正治療中でも口腔内を清潔に保ちやすく、日常生活への影響を抑えながら歯並びの改善を目指せる治療方法です。
マウスピースが目立ちにくい
マウスピース矯正は透明な装置を使用するため、装着していても周囲から気づかれにくい点が魅力です。ワイヤー矯正では金属のブラケットやワイヤーが目立ちやすく、人前に出る機会が多い方や見た目が気になる方にとって負担になることがあります。
その点、マウスピース矯正の装置は透明で薄い素材で作られているため、会話や仕事、写真撮影などの日常の場面でも目立ちにくく、矯正治療をしていることを知られにくいのが特徴です。
見た目を気にせず歯並びの治療を進めたい方にとって、大きなメリットといえるでしょう。
ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて痛みが少ないと感じる方が多いと言われています。ワイヤー矯正ではワイヤーを調整するたびに歯へ強い力がかかるため、数日間痛みや違和感を覚えることがあります。
一方、マウスピース矯正では複数のマウスピースを段階的に交換しながら歯を少しずつ動かしていくため、歯にかかる力が比較的穏やかです。装置を交換した直後に軽い圧迫感を覚えることはありますが、強い痛みを感じるケースは比較的少ないとされています。
痛みに不安がある方でも取り組みやすい矯正方法です。
金属アレルギーの方でも治療を受けられる
マウスピース矯正は主に樹脂製の透明な装置を使用するため、金属を使用するワイヤー矯正と比べて金属アレルギーの心配が少ないという特徴があります。
ワイヤー矯正では金属のブラケットやワイヤーが口腔内に長期間接触するため、体質によってはアレルギー反応が出てしまう可能性があります。
一方、マウスピース矯正では金属を使用しないため、金属アレルギーを持っている方でも治療を受けやすい方法です。ただし、治療前には歯科医師へ相談し、装置の素材について確認しておくことが大切です。
通院頻度が2~3ヶ月に1回と少ない
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて通院頻度が少ない傾向があります。
ワイヤー矯正では装置の調整のために月1回程度の通院がほぼ必須ですが、マウスピース矯正では一度の来院で複数枚のマウスピースを受け取り、ご自身で交換しながら治療を進めます。そのため通院は2~3ヶ月に1回程度ですむケースが多く、仕事や学校で忙しい方でも治療を続けやすいのが特徴です。
また、最近ではインビザラインにおけるバーチャルケアのような、遠隔で治療の進捗を確認することのできるシステムも進んでいます。これを活用することでさらに通院頻度を抑えることができます。
矯正治療は年単位の長い治療期間となるため、通院の負担を抑えながら歯並びの改善を目指せる点は、大きなメリットといえるでしょう。
マウスピース矯正を検討している方は、高知市の「アポロニア歯科クリニック」へご相談ください
マウスピース矯正を検討しているものの、「自分の歯並びでも治療できるのか」「どの方法が合っているのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。歯並びの状態や骨格によって適した治療方法は異なるため、まずは歯科医師による診断を受けることが大切です。
高知市のアポロニア歯科クリニックでは、インビザライン専門の矯正治療を行っており、患者さま一人ひとりの歯並びや噛み合わせに合わせた治療計画をご提案しています。
マウスピース矯正について詳しく知りたい方や治療を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。