マウスピース矯正にはさまざまな種類があり、取り扱う装置や費用、適応症例は歯科医院によって異なります。
どのマウスピースを選ぶかによって治療期間や通院回数、装着感も変わるため、事前に特徴を理解しておくことが大切です。
本記事では、代表的なマウスピース矯正の種類とそれぞれの特徴、選び方のポイントを詳しく解説します。自分に合った矯正方法を見つける参考にしてください。
マウスピース矯正の種類10選
インビザライン
インビザラインは米国・アラインテクノロジー社が提供している世界で最もシェアの多いマウスピース矯正です。
これまで100以上の国で2000万人以上の治療実績がある、非常に人気のあるマウスピース矯正システムです。
iTeroと呼ばれる専用の3Dスキャナーで歯型を精密に取り、クリンチェックと呼ばれる専用のソフトウェアを使用してシミュレーションや治療計画を作成します。
治療方針が決まるとアライナーと呼ばれるマウスピース型の矯正装置が作製され、これを適切に交換していきながら歯を段階的に動かしていきます。
対応症例は軽度のものから複雑な症例まで幅広く、世界中の患者様の治療実績による膨大なデータがこれを可能にしています。
一口にインビザラインといっても、小児から大人、軽度から重度まで、様々な種類があり、費用や期間は様々です。
その中でも、大人の全顎矯正の最も一般的なものに関していえば、費用は80万~120万円程度で、治療期間は平均1年半〜2年、通院は4~8週間ごとです。
マウスピース矯正の中でインビザラインを選択する一番大きなメリットは、治療を受けてる患者数も多く取り扱っている歯科医師も多いので、膨大な蓄積データによって予測実現性の高い治療が受けられるということ、そしてトラブルへの適切な対応を受けやすいということです。
また、CTを併用した治療計画にも対応しています。アポロニア歯科クリニックでもインビザラインをメインで取り扱っています。
クリアライン
クリアラインは国内の医療法人が独自に行っている透明マウスピース矯正システムです。
矯正の対象となる部位は上下前歯6本ずつの12本のみで軽度から中等度の症例に対応しますが、全体の噛み合わせを整えることはできません。
動かしやすい前歯のみの部分矯正であるため、費用は総額で8万~41万円程度と安価で、期間は最短5ヶ月〜と短期間です。
月額16,500円から始められるというお手軽さも人気の理由の一つでしょう。
クリアコレクト
クリアコレクトは米国・ストローマン社が提供するマウスピース矯正システムで、精密な歯の動きに対応できるのが特徴です。
ストローマン社はインプラントメーカーとして世界中で大きなシェアをもち、同社がもつ最新の技術とエビデンスを落とし込んだ矯正システムが魅力です。
マウスピースの形に特徴があり、インビザラインのアライナーのようなスカラップ型ではなく、歯頚部を超えて覆うような形にすることで高い保持性を保っています。
治療計画はインビザラインと同様に、専用ソフトを使用してコンピュータ上で簡単に確認することができます。
費用は70万~100万円程度で期間も2年前後、軽度から重度まで幅広い症例に適応することができます。
キレイライン
キレイラインはSheep Medical Technologiesという日本の会社が提供しています。国内で話題になったこともあり、特に若者に人気の部分矯正向けマウスピースです。
奥歯の歯列改善ではなく、主に前歯部の歯列改善に特化しており、短期間で効果を実感しやすい点が特徴です。
費用は安価から始められ、治療期間も短く、通院回数も少なく済みます。気になる部分だけ、最小限の費用で整えたい方に向いている矯正システムです。
アソアライナー
アソアライナーはアソ・インターナショナルという会社が国内で提供するマウスピース矯正で、創業は1982年とマウスピース矯正の中では老舗の部類です。
ソフト・ミディアム・ハードと歯の移動のフェーズに合わせて厚みの違うマウスピースを使用するのが特徴で、・矯正治療後の後戻・前歯の部分矯正・軽度の叢生の治療に向いています。
国内生産なのでマウスピースを発注してから届くまでが早く、スピード感を持って進められるのがポイントです。部分矯正が対象のため費用や期間も抑えられます。
国内の老舗企業ということで一定の安心感が得られる、という患者さまも少なくないでしょう。
ホワイトライン
ホワイトラインは、アッパーライズプラス株式会社が提供する、完全国内生産のマウスピース矯正です。
費用はお試し1回が22000円から始められ、4回コース176,000円・7回コース319,000円・10回コース462,000円の設定があります。(2025年10月現在)
追加する場合は1回ごとに55,000円とされています。
対応できる症例については明らかな部位の決まりはありませんが、複雑な症例は歯科医師と相談の上適応可能か決定する必要があります。
軽度〜中程度の症例向きで、期間は4回コース約3ヶ月・7回コース約4.5〜6ヶ月・10回コース約6〜8ヶ月、追加を使用した場合は約9ヶ月ほどとされています。
設定されている総額の他に初診料や再診料、リテーナー代が設定されています。
ウィ・スマイル
ウィ・スマイルとは、マウスピース矯正を考えている患者さまとマウスピース矯正を行っている全国のクリニックを繋ぐ「ポータルサイトの名称」であり、マウスピース矯正システムの名称ではありません。
ウィ・スマイルに加盟している医院でのカウンセリングを受け、その医院が提供している適切なマウスピース矯正をお選びいただくことになります。
提供されている矯正システムとしてはインビザライン・クリアコレクト・シュアスマイルなどがあります。
サイト内で医院選びを完結する事が出来、各医院で提供されるサービス内容は一律なのでわかりやすく安心です。
サイト運営側の一定の審査を通った歯科医院のみが掲載されます。
SmileTRU
SmileTRUは米国のSmileTRU社によって提供されているマウスピース矯正です。
歯科医院で取られた歯型模型を最先端のレーザースキャニングマシンで3Dデータにし、送ります。
米国本部のSmileTRU社にて矯正医を含む専門チームが最先端のソフトウェアを使用して、歯並びをデザインします。
マウスピースの交換は2週間ごととされています。
歯並びのレベルをレベル1からレベル4までの段階に分けていて、現在日本ではレベル1の前歯部のみの移動(3~3)で期間が約3~5ヶ月、レベル2の小臼歯までの移動(5~5)で期間が約5~8ヶ月、の2つのみのシステムが提供可能となっています。
そのため国内では軽度〜中程度の部分矯正に向けた治療となっていますが、今後提供されるレベルが上がっていき、重症の症例にも対応できるようになることが期待できます。
費用はインビザラインに比べるとやや安価に設定されています。
シースルーアライナー
シースルーアライナーは、韓国・シースルーテック社が提供するマウスピース矯正です。
大きな特徴として、治療全体を3stepにわけて矯正装置を製作し、1ステージごとにsoftとhardの2つを使用します。
装着方法としてはsoft 1週間、hard 2週間となり、着用時間は18~22時間です。
対応できる歯並びとしては軽度から重症まで幅広く設定されています。
シュアスマイル
シュアスマイルはドイツ・デンツプライシロナが提供するマウスピース矯正システムです。
シュアスマイルではインビザライン同様、CTを使用した治療計画の立案が可能で、それにより予測実現性が高く、安心安全な治療を行うことができます。
また、軽度から重度まで幅広い症例に対応し、世界的大手歯科企業のデンツプライシロナのデータや技術を使って、高い精度を実現できると考えられます。
また、振動型加速装置VProも使用することができます。
マウスピースの構造が、3層構造となっているインビザラインやクリアコレクトと異なり、1層構造で製造されています。
またトリムラインはスカラップ型と2mmのトリムラインの2種類が用意されていてこれも大きな特徴です。
まだ国内シェアはインビザラインやクリアコレクトほど大きくありません。
マウスピース矯正の種類はどう選ぶ?
近年、非常に多くのマウスピース矯正が流通するようになってきたため、どれを選ぶべきかわからなくなってしまった、という方も少なくないでしょう。
矯正システムを選ぶときの大きなポイントとなる3点を以下でお伝えいたします。
自身の歯並びに合う種類を選ぶ
まず、自分の歯並びに適したマウスピース矯正を選ぶことが重要です。
歯列の乱れの程度や噛み合わせの状態によって、適応できる矯正方法は異なります。
前歯だけの軽度な歯並び改善であれば、部分矯正向けのマウスピースで十分ですが、全体矯正や重度の不正咬合の場合は、治療精度の高いインビザラインやクリアコレクト、シュアスマイルなど、全体矯正対応のマウスピースを選ぶ必要があります。
歯科医師による診断とシミュレーションを受けることで、どの種類が自分の症例に最適か明確になります。自己判断で選ぶと、効果が出にくいリスクがあるため注意が必要です。
予算内に収まる種類を選ぶ
マウスピース矯正は種類によって費用が大きく異なります。部分矯正向けマウスピースは数万~50万円程度で始めやすく、精密全体矯正は80万~120万円程度かかる場合があります。
また、提供する会社のシェアの大きさによっても治療の精密性を左右するためのデータ量が異なり、その分治療費用は高くなる傾向があります。
自身の予算と求める治療の精密性をふまえ、さらに無理なく支払える範囲で選ぶことが大切です。
ただし、費用の手軽さのみに注目して治療方法を選択すると、結局理想の歯並びを得られずに失敗に終わってしまうという可能性も考えられます。
ご自身の歯並びに対応しているのか、理想の歯並びを達成するためのシステムが用意されているのかなど、充分に調査し、歯科医師と相談の上慎重に決定しましょう。
ライフスタイルに合う種類を選ぶ
最後に、自分の生活スタイルに合ったマウスピースを選ぶことも重要です。
マウスピース矯正は1日20~22時間の装着が基本のため、仕事や学校、食事のタイミングに影響が出にくいものを選ぶと続けやすくなります。
また、通院間隔や装置の取り扱いのしやすさもチェックポイントです。
透明度や装着感、食事時の取り外しのしやすさなども、日常生活に支障なく治療を続けられるかに直結します。
ライフスタイルに合った種類を選ぶことで、無理なく長期間の治療を継続でき、満足のいく矯正結果につながります。
マウスピース矯正の種類でお悩みの方は、高知市の「アポロニア歯科クリニック」へご相談ください
マウスピース矯正の種類は多く、自分に合った選択を迷う方も少なくありません。
高知市の「アポロニア歯科クリニック」では、インビザラインを専門に、患者さま一人ひとりの歯並びやライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案しています。
歯科医師による丁寧なカウンセリングで、治療の流れや費用、期間についても分かりやすくご説明いたします。
お悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。予約やお問い合わせは、ウェブから承っております。