入れ歯を作る・調整する
院長の日野は、歯科大を卒業して3年間ずっと入れ歯漬けの毎日を送っていた入れ歯マニアです。同年代のドクターに比べて、入れ歯の仕様や製作パターンについて、多くの引き出しを持っていると自負しています。
しかし同時に、入れ歯の限界についても、さまざまな悲しい経験とともに思い知る者でもあります。
(想いを込め作った入れ歯を、その場で突き返されたことも!)ですから、入れ歯についてのお悩み、ご不満がございましたら、まずは日野にご相談ください。
金属のバネを使用せず見た目への影響の少ないスマートデンチャーや、入れ歯の裏側全体を特殊な生体シリコーンで覆うコンフォート義歯、薄く軽く違和感のすくないチタン床義歯、固定にインプラントを応用するインプラント義歯などなど、あなたのお悩みにあった入れ歯をご提案いたします。
また、入れ歯の調整・破損修理についても、丁寧に対応しております。
当院では、入れ歯の新製をご希望される方にも、いったんは今お使いの入れ歯を可能な限り修理・調整し、再びお使いになるようおすすめしております。
入れ歯は、長年使うなかで、アゴの骨が変化し合わなくなることがあります。
このような場合は、新製よりむしろ今まで使っていた入れ歯を修理する方が、費用・治療期間をおさえつつ新品より馴染みのよい義歯になることが多いです。 新製だけが解決法ではないことも、どうかご承知おきください。
ご使用になられる方の”こだわり”を何よりも大切に
すべての入れ歯は、カスタムメイドです。患者さまのお口の型をとり、模型を作成し、お顔の雰囲気に合うように歯を並べ、金具は金属を溶かして作ります。
すべての作業が職人の手作業で、二つと同じ物を作ることはできません。あなたの入れ歯は、あなただけのために作られた作品なのです。
ですから、製作にあたっては、ご使用になられる方の”こだわり”をどこまでも拾ってゆくことができます。
入れ歯は限界のある治療法です。であればこそ、最適な素材や装着方法、ご予算などをすりあわせ、限界まで良いものを作っていくべきだと考えています。それぞれの入れ歯のメリット・デメリットなど何でもご遠慮なく質問ください。
スマイルデンチャー(三和デンタル)
スマイルデンチャーはスーパーポリアミドという素材を用いた薄くて軽い、目立たない入れ歯です。次のような特徴があります。
- ・ 材質が半透明で歯茎と見分けが付かず、自然な見た目になる
- ・ 金属のバネを使わないので、金属アレルギーの心配がない
- ・ 普通の入れ歯の半分の重さなので、口の中が快適
- ・ 落としたり踏んだりしても変形しないほど高い耐久性
スマイルデンチャーCプラス
しかし、金属のバネを使わないため、スマイルデンチャーはどのような患者さまでも使えるわけではありません。
中には、どうしても金属で固定をしないと入れ歯が安定しない患者さまもいらっしゃるからです。
そうした方でも安心して使えるのがスマイルデンチャーCプラスです。見た目は、スマイルデンチャーと変わりありませんが、内側のバネ部分などに金属アレルギーを起こしにくいコバルトクロームを使用しています。
修理や増歯もできるので長く使えます。
スマイルデンチャーシリコン
入れ歯を固定したときに、どうしても口の中に痛みが出る方、入れ歯が安定しない方におすすめなのがスマイルデンチャーシリコンです。
歯茎などの粘着面が当たる部分にシリコンを使っていて、安定性と柔軟性を持つ入れ歯です。
ゴシックアーチ検査で最適な噛み合わせを
ゴシックアーチ検査とは、上下の顎の位置関係や下顎の動きなどを精密に調べる検査です。
上下の顎の位置関係を再現し、入れ歯の噛み合わせに反映させることで、一番食べ物を噛みやすいところに歯を並べ、入れ歯を歯ぐきに密着させる方向へ力を加えることができます。
逆に、上下の顎の位置関係を正確に再現できなければ、痛くて物がかめない入れ歯になってしまいます。
この検査は入れ歯を製作するうえで最も重要で、私たちはこの検査に力を入れています。
ゴシックアーチ検査の方法とは
上顎に取り付ける装置に板、下顎の装置に針がついており、かみ合わせると板と針が1点で接触します。針はネジ式で上下させることができ、0.1mm単位で動かすことで、適切な上顎と下顎の位置関係を探ります。
上下の顎のかみ合わせの位置を細かく調べることができるので、上下左右の誤差を非常に少なくすることができます。
また、上顎の装置の板にインクを塗ることで、下顎の針の動きを追い下顎の動きを記録できます。下顎の動きがわかることで、入れ歯の歯の適切な形を導き出せます。
こうした検査を行うことで、顎の関節の動きに合わせて食べ物を噛むことができ、外れにくい入れ歯を作れるのです。
従来のやり方との違いとは
ゴシックアーチ法以外には、ろう堤法と呼ばれる方法を使い、上下の顎の位置関係や噛み合わせを調べます。日本では、主にろう堤法が使われます。
この方法では、上下の顎に取り付ける装置にろうで作ったアーチを取り付け、ろうに熱を加えて柔らかくし、上下を噛み合わせることで顎の位置を記録します。
ただし、ろう堤法には、次のような欠点があります。
手作業でろうを盛り付けたり、削ったりして高さを調整するので、精密さに欠ける
手作業で上下のろう堤を正確に平面にすることは不可能に近い
ろう堤を平面にしても、上下で噛み合わせたときに、ぴったり平面であわせることも不可能に近い
下顎の動きを記録することができない
以上の理由から、私たちは型取りの際、ろう堤法を採用せず、ゴシックアーチ法を用いています。
日本でゴシックアーチ検査がほとんど行われない理由
ゴシックアーチ検査はろう堤法よりも有用なのですが、日本ではほとんど行われていません。
確かに検査自体が高度で技術的に難しいのですが、普及を妨げているのは保険診療の際の診療報酬にあります。ゴシックアーチ検査は健康保険が適用されますが、検査料はたったの3,800円です。
実は、ゴシックアーチを行うための装置を製作するのに5,000円程度の費用がかかるため、検査をやればやるほど赤字になってしまうのです。これでは、現実的に健康保険制度内で検査ができません。
当院の院長は、過去に健康保険による治療をメインで行っていましたが、その頃から赤字覚悟でゴシックアーチ検査を行っていました。今ではゴシックアーチ検査の症例数は数百例に上ります。
確かな経験に基づき、自信を持って精密なゴシックアーチ検査を行います。