お子さんのより良い成長をサポート
今の日本は、空前の少子化社会となりました。今後の人口減少・国力の衰退が懸念されています。
こんな時代にあって、子どもを産み育てていらっしゃるご家庭は、まさに国の宝といっても過言ではありません。家族・親戚を超え、地域で子育て家庭を支えていくのは当然のことです。
わたしたちも、歯科医療を通じてみなさんの子育てをせいいっぱいお支えしたいと考えています。
ところで、大人と子どもでは、歯科治療の目的がまったく違うことをご存知でしょうか。大人の歯科治療のイメージが「修理・保守」だとするならば、子どもの歯科治療は「育て・導く」というイメージが近いのです。
つまり「成長をサポートする」ということが一番の目的なんですね。
だから、むし歯すべてを必ず治療するわけではないし、逆に成長をスムーズにするため歯を抜いてあげることもあります。
すべての永久歯が生えそろう13~14歳ごろをゴールと考え、その時最善の結果が得られるよう、すこし未来を見通しつつ治療をすすめてまいります。
未来のお子さまへの大きなプレゼント!
小児歯科イメージ「乳歯はいずれ入れ替わるから、虫歯になっても大丈夫」と思っていませんか。実際には、乳歯のトラブルが永久歯に様々な悪影響を与えてしまうのが現状です。
小さなトラブルからきちんと対処していけば、永久歯を守ることができます。子どもの頃からきちんと歯を守ることができれば、むし歯のない永久歯がキレイにならぶお口をプレゼントしてあげることができます。
そしてそれは、誰も奪うことのできない「生涯の健康」という財産につながってゆくのです。
むし歯ができちゃったお子さまに治療をおすすめするのは当然ですが、もしまだ歯医者さんに行ったことがなくむし歯もないお子さまでも、どうぞお連れになってくださってけっこうです。
歯医者嫌いにならないよう楽しく予防処置をすることで、お子さまの健康なお口づくりをスタートさせましょう。
お子さまが安心できる開けた診療台
お子さまが安心して治療に専念できるように、小児歯科の診療台は圧迫感のある個室ではなく開けたオープンスペースとなっています。
またスピット(診察台の横にあるうがいの水がでる場所)もタイプのものを使用しているので、お子さまのストレスを最大限に溜めない設計にこだわりました。
お子さまと歯科医の一対一ではなく、スタッフみんなでお子さまの治療を応援したいと考えています。
乳歯からはじめる予防矯正
あなたのお嬢さまやご子息の中学校の卒業式を想像してみてください。
卒業証書を片手にあなたに手を振るその笑顔は、綺麗な歯並びでむし歯一つない、健康・若さ・将来の可能性に満ちているステキな笑顔ではないでしょうか?
しかしそんなステキな笑顔も、お子さまの自然な成長の中ではなかなか得られません。その原因は、食生活の変化です。ここ60年で、日本人の食べ物は急速に柔らかくなってしまいました。
そのため歯が生えるアゴの骨の成長が遅く・小さくなり、すべての歯がキレイに並びきらず、結果として歯並びが悪くなってしまうのです。アゴの骨の成長は、小さい頃ならばコントロールできます。
方法は大きくふたつあり、ひとつは、食事内容を改善したり、アゴの成長に良い生活習慣をご指導してゆく方法。それほど悪くない状態から管理であれば、この方法で十分なこともあります。
もうひとつは、乳歯の時期から積極的に矯正して、アゴの成長を促し永久歯が正しく生えるように導く方法です。この方法を、歯列育形成予防矯正といいます。
アゴの成長発育をうまく利用するこの方法では、通常の矯正と違い、永久歯をほぼ抜かずに治療できます。
従来の方法では、健康な歯を抜いて歯並びを整える手法が主ですから、歯列育形成のメリットは明らかです。ただ、この方法は適用年齢が限られるため、8歳を過ぎると通常矯正となる場合が多いです。
この他にも、受け口を治療する「ムーシールド」(3歳から適用可)など、永久歯を正しく生えさせ、お子さまの成長を助ける治療法がさまざまございます。
どうぞお気軽にご相談ください。
美しい歯並びの土台をつくる予防矯正
小児の早い段階から矯正治療を始める場合、治療は小児矯正(Ⅰ期治療)と小学校高学年以降の本格矯正(Ⅱ期治療)に分けて行います。
建築に例えれば、小児矯正は言わば土台を作る基礎工事で、本格矯正は本体工事とイメージすればいいでしょう。不正咬合の多くはアゴの発育不良が原因で起こります。
そのため、Ⅰ期治療では歯並びのアーチを広げたり、アゴの成長をコントロールし発育を促したりすることで、きれいに歯が並ぶようスペースを広げます。
Ⅱ期治療に入ると、マウスピース矯正に切り換えて、土台の上に安定した歯並びを作ります。
予防矯正の役割とは?
本格的な矯正の前に予防矯正を行うと、きれいに永久歯が生えそろうスペースを確保し、不正咬合の程度を軽くするため、大人になってから矯正を始めるより抜歯せずに治療できる可能性が高くなり、本格矯正の期間を短縮できることもあります。
また、治療後の後戻りも最小限に抑えることも期待できます。矯正の面以外でも、早期に歯並びを整えると歯を磨きやすくなり、虫歯になりにくい口内環境を保つこともできるようになります。
成長期を過ぎ骨格が固まってからの治療では、基本的に歯並びの改善にとどまりますが、予防矯正を行うと口腔機能を整え、骨格そのもの改善まで望めるのです。
予防矯正を始めるのに最適な時期は?
不正咬合の原因の多くは歯並びの悪さやアゴの発育の不良にあります。
こうした発育不良は呼吸や発声、咀嚼、嚥下といった口腔機能の低下によるもので、柔らかな食べ物ばかりを食べよく噛まないことや、食物アレルギーの増加が影響していると指摘されています。
歯並びの発育や口腔機能に問題があるお子さまには、口腔筋機能トレーニングを行うことで改善が期待できます。口腔筋機能トレーニングは早ければ5歳ごろから始めるといいでしょう。
その時期は第一大臼歯が生え揃う頃で、トレーニングによって歯ならびの発育が促されることがわかっています。
次の段階は6歳~小学校低学年頃で、床矯正装置を口の中に入れて歯並びのアーチを広げたり、ファンクショナルアプライアンスという装置で上下のあごの骨のバランスを整えたりします。
こうすることで、永久歯が生えるスペースを作り、歯並びを整える準備をするのです。
この時期の治療で使う装置は、主に取り外しができるものになります。
口腔筋機能トレーニング
第一大臼歯が生え揃う時期には、口腔筋機能トレーニングを目安に行います。口の中の状態によってトレーニングの方法は変わりますが、舌の機能を向上するためのトレーニングが中心となります。
舌を動かす練習や食べた物をうまく飲み込む練習、咀嚼トレーニングガムをつかった噛む練習などを3か月ほど行います。
こうしたトレーニングは歯並びの発育にもよい効果をもたらすことがわかっています。決して難しいトレーニングではありませんが、中には続ける自信がない、子供にできるか不安だという方もいらっしゃいます。
私たちはトレーニング方法をでるだけ簡単にするとともに、続けるための技術にも真剣に取り組み、練習が長く続けられるよう患者さまとご家族様をサポートしてまいります。
本格的な矯正のスタート(小学校高学年~中学校)
小学校高学年くらいになると、子供の歯もそろそろ永久歯に生えかわります。この頃が本格的な矯正を始めるタイミングです。
小児矯正を経て本格矯正に移行した患者さまの平均的な治療期間は、歯を抜かなかった場合で1年から1年6か月程度です。永久歯を抜いた場合は少し期間が延びて1年6か月から2年ほどで治療が終了します。
また、小児矯正をせずに本格矯正から始める方と比べ、コストも抑えることができます。
虫歯や歯周病を防ぐのは、毎日の歯磨きや定期的なメンテナンスを欠かさないなど本人の努力である程度できますが、歯並びは自分の力だけで改善することはできません。
子供のうちから矯正治療を受けさせることは、わが子の人生を豊かにするために親がしてやれる最高のギフトの一つだと言えるのではないでしょうか。
むし歯の治療
子どもの歯(乳歯)は、大人の歯(永久歯)に比べて小さくやわらかいため、むし歯になりやすく、進行も速いです。
初期の小さなむし歯を見落とすと、気がついた時にはびっくりするような大きさになることも。
だから、あやしいなと思われたら、間違ってても全然かまわないので、なるべく早くお連れになってくださいね。当院では、よっぽどの緊急事態でないかぎり、ムリに抑えつけて治療をすることはありません。
お子さまが「歯医者さん大好き」になるように、治療に対して前向きな気持ちで来てもらえるように、単に痛くしないと言うこと以上の様々な努力をしております。
そうは言っても、そもそもむし歯を作らないことが一番ですから、予防・定期健診をぜひともお受けいただきたく思います。
むし歯の予防
小児歯科イメージ「むし歯の予防は、いつからできますか?」とよく聞かれますが、歯が生えてきたら、いつからでもスタートできます。
上下の前歯は1歳頃には生えてきますから、むし歯の疑いがなくても、定期検診を受けていただくのが望ましいです。
お母さまお父さまに、お子さまの状態に応じたアドバイスをいたしますので、どうぞお気軽にお連れになってください。
定期検診は、むし歯の早期発見・早期治療に有効なだけではありません。検診と同時にフッ素塗布などの予防処置を行えば、成長に応じて歯を強くすることができます。
また、歯ならびの相談など、治療のタイミングが重要なことでも、機を逸することがありません。
未来あるお子さまのことですから、先手先手で積極的に歯を守っていけるよう、わたしたちのできる最大限の協力をさせていただきます。
お子さまの歯の健康が美しい歯の土台に
小児歯科とは、ただ子供の虫歯を治すことだけを役割としているわけではありません。虫歯にならないよう予防に努め、最終的には永久歯を正しい位置に並べ、口の健康を保つことを目標にしています。
それによって、一生自分の歯を使い続ける土台を作るのです。永久歯は12歳前後ですべての歯が生えかわります。このときに丈夫な永久歯がきれいに生えそろうには、それまでの乳歯の時期と、乳歯と永久歯が混じり合った時期のケアがとても大切になります。
乳歯はいずれ抜けてしまう歯だから、多少虫歯になっても大丈夫だと思っている方も多いようですが、それは誤りです。乳歯の異常は歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼし、永久歯の成長にも関わります。また、指しゃぶりや頬杖といった癖なども歯並びや顎の成長に影響を及ぼします。
一生涯、健康的な歯を保つためには、小児期から予防歯科を受けるなどして、しっかりケアしていくことが重要なのです。小児期から歯に関する正しい知識を身につけ、歯みがきなどの良い習慣を身につけることで、いつまでも健康的で美しい歯を保つことも可能になります。
「歯医者さんは恐い場所」と思っているお子さまもいらっしゃいますが、私たちは「歯を守ってもらえて楽しい場所」と言っていただけるような医院作りや診療を心がけています。