「歯ぎしりをする癖があるけれど、インビザライン矯正はできるの？」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、歯ぎしりがインビザラインに影響を与えることもありますが、適切な対策をすれば治療を続けることが可能です。
また、インビザラインを装着することで、歯ぎしりによるダメージを軽減できるケースもあります。
本記事では、歯ぎしりとインビザラインの関係や、治療中にできる歯ぎしりの改善方法について詳しく解説します。矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
歯ぎしり癖があってもインビザライン治療はできる？
歯ぎしり癖があっても、基本的にインビザライン治療を受けることは可能です。
インビザラインのマウスピースは歯全体を覆うため、歯ぎしりによる歯同士の直接的な摩耗やダメージを軽減する効果が期待できます。
そのため、歯ぎしりによる歯のすり減りを抑えながら矯正治療を進めることができるというメリットがあります。
ただし、強い歯ぎしりをする場合、マウスピースが破損しやすくなるリスクがあります。 特に、無意識のうちに強く噛み締めるクセがあると、通常の使用期間よりも早くマウスピースが劣化し、割れたり変形したりする可能性があります。
そのため、歯ぎしりが強い場合は、歯科医師に相談しながら治療を進めることが大切です。
【前提】歯ぎしり・食いしばりとはどんな症状？
歯ぎしり、食いしばりにはタッピング・クレンチング・グライディングといったものがあります。それぞれの特徴を以下でご説明いたします。
タッピング
タッピングとは、上下の歯を小刻みにカチカチと打ち鳴らすように動かす歯ぎしりの一種です。通常の歯ぎしりのように強い力はかかりませんが、頻繁に繰り返すことで歯の表面が摩耗し、歯のエナメル質が削れてしまうことがあります。
このタイプの歯ぎしりは、ストレスや緊張が原因となることが多く、日中に無意識に発生することもあります。 一見すると軽度に思えますが、長期間続くと歯がすり減り、知覚過敏の原因となります。
また、顎の筋肉にも影響を与え、顎関節症を引き起こすこともあるため、早めに対策を取ることが重要です。
グライディング
グライディングとは、上下の歯を強く噛みしめたまま、横にこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。寝ている間に起こることが多く、ギリギリという特徴的な音を伴います。
このタイプの歯ぎしりは、歯の摩耗が特に激しく、長期間続くと歯が削れすぎて噛み合わせが悪くなったり噛み合わせの高さが維持できなくなっていくことがあります。
また、グライディングは顎に強い負担をかけるため、顎関節症のリスクが高まり、さらに噛み合わせのバランスが崩れることで、歯並びにも影響を及ぼします。
クレンチング
クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめるタイプの食いしばりです。通常、食事で食物を咀嚼する時間以外の時間は、上下の歯にはわずかな空間があり歯は接触していません。
しかし、クレンチングのある方は歯が接触している時間が過度に長く、そして強い力で噛み締められています。一般的な「ギリギリ」という音を伴う歯ぎしりとは異なり、音が発生しないため、周囲の人にも気づかれにくいのが特徴です。
クレンチングは、睡眠中だけでなく仕事や勉強中、スマートフォンを操作しているときなど、集中している際に無意識に発生することも多いです。
この食いしばりは、歯に強い圧力がかかるため、歯の破損や詰め物・被せ物の劣化を引き起こしやすく、また、長時間続くと顎の筋肉が緊張し、顎関節症や頭痛、肩こりの原因にもなります。
さらに、歯周病を悪化させることもあります。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因には様々なものが関係していますが、最も代表的な3つをご紹介いたします。
ストレス
ストレスは歯ぎしりや食いしばりの主な原因の一つとされており、精神的な緊張が続くことで無意識のうちに歯をあわせる習慣が身についてしまいます。
特に、仕事や家庭のプレッシャーが大きい人は、日中のストレスが影響して就寝中に歯ぎしりをすることが多いです。
ストレスによる歯ぎしり・くいしばりは、口腔内の問題だけでなく肩こりや頭痛、顎関節の違和感を引き起こすこともあります。
眠りの浅さ
睡眠の質が低下すると、無意識のうちに歯ぎしりを引き起こしやすくなります。浅い眠り（レム睡眠）の時間が長くなると、筋肉の動きが活発になり、歯を強く噛みしめることが増えます。
逆に深い眠り（ノンレム睡眠）がしっかり取れていると、体全体の筋肉が弛緩しやすいため、歯ぎしりのリスクも低くなります。
睡眠の質が低下する原因として、ストレス、生活習慣の乱れ、寝具の不適合、カフェインやアルコールの過剰摂取などが挙げられます。
日常的なスポーツや仕事による癖
日常的にスポーツをしている人や、仕事で無意識に力を入れる習慣がある人も歯ぎしりをしやすい傾向があるといわれています。
例えば、ウェイトリフティングや格闘技など瞬発的に力を発揮するスポーツでは、強く歯を噛みしめる動作が頻繁に発生するため、この習慣が長く続くと、就寝中にも無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをするクセがつきやすくなります。
また、仕事中に長時間集中する必要がある職業（デスクワークや職人仕事など）でも、知らず知らずのうちに歯を食いしばることがあり、パソコン作業をしているときや、細かい作業に没頭しているときに、顎に力が入ってしまうケースが多いです。
こうした習慣が続くと、顎の筋肉が常に緊張し、夜間の歯ぎしりにつながる可能性があります。
歯ぎしりは歯に悪影響をもたらす
歯ぎしりは様々な悪影響をもたらします。以下で代表的なものをご紹介いたします。
歯が摩耗する
歯ぎしりによって上下の歯が強くこすれ合うと、歯の表面が削れ、摩耗が進行します。特に、グライディングが習慣化していると、エナメル質が徐々に薄くなり、象牙質が露出することで知覚過敏を引き起こすことがあります。
また、歯の摩耗が進むと、噛み合わせのバランスが崩れ、食事の際に力が均等にかからなったり、この影響で、一部の歯に過剰な負担がかかり、歯の破折につながることもあるので注意が必要です。
長年歯ぎしりを続けている人は、歯が短くなり、審美的な影響も出ることがあります。
歯の詰め物が取れる
強い噛みしめや歯ぎしりの習慣があると、歯にかかる圧力が通常よりも大きくなり、詰め物や被せ物が取れやすくなります。
歯ぎしりや食いしばりによる強い力が詰め物の接着部分に負荷をかけることで、インレーやクラウンの接着剤やコンポジットレジンなどの修復材料が劣化しやすくなるため、詰め物が取れたり、部分的に欠けたりすることがあり、再治療が必要になるケースが増えてしまいます。
歯周病になりやすくなる
歯ぎしりや食いしばりによる強い力は、歯だけでなく歯ぐきや歯槽骨にも大きな負担をかけます。特に、長期間にわたって強い力が加わると、歯槽骨が吸収され、歯がグラつきやすくなります。
歯周病の初期段階では自覚症状が少ないですが、歯ぎしりが習慣化すると、歯ぐきの炎症が悪化しやすく、歯周病の進行が早まることがあります。
頭痛や肩こりにつながる
歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎だけでなく、顔や首の筋肉にも大きな負担をかけます。
特に、睡眠中の歯ぎしりでは顎の筋肉が長時間緊張した状態が続くため、筋肉疲労が蓄積しやすく、顎からこめかみ、首、肩にかけての筋肉がかたまり、慢性的な頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
また、歯ぎしり・食いしばりによって側頭筋や咬筋が過度に緊張すると、緊張型頭痛の原因となることもあります。特に、朝起きたときに頭が重く感じたり、こめかみに鈍い痛みを感じたりする場合は、これらの習癖による筋肉疲労が原因の可能性が高いです。
顎関節症のリスクが上がる
歯ぎしりが長期間続くと、顎関節に過剰な負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。
顎関節症になると、口を開けるときに痛みを感じたり、関節がカクカクと音を立てたりすることがあり、さらに、症状が進行すると、口を大きく開けられなくなったり、食事の際に顎が痛むようになります。
非常に重度な歯ぎしりがある方はこれらの動作が続くことで、顎関節の骨が摩耗し、変形を引き起こすこともあります。
インビザライン中の歯ぎしりを改善する方法
インビザライン治療中に歯ぎしりを改善するためには、生活習慣の見直しやマウスピースの適切な使用、顎の筋肉をリラックスさせる工夫が必要です。
以下の方法を取り入れることで、歯ぎしりの負担を軽減しながら矯正治療を進めることができるでしょう。
・自分に歯ぎしり・食いしばりの習癖があることを自覚する
ご自身が歯ぎしり・食いしばりを行っていることに気づいていない方は非常に多いです。
歯科医師に指摘された場合は、普段の生活の中で習癖が出ていないか意識してみましょう。自分が歯ぎしり・食いしばりを起こしやすい行動を見つけることが改善への近道となります。
・ストレス管理を意識する
歯ぎしりはストレスと深く関係しており、リラックスする時間を作ることで改善が期待できます。
入浴やストレッチ、深呼吸を取り入れることで、筋肉の緊張を和らげることが可能です。また、就寝前のスマホやカフェイン・アルコール摂取を控え、睡眠の質を向上させることも歯ぎしりの予防につながります。
・ナイトガード（歯ぎしり防止用のマウスピース）の併用を検討する
インビザラインのマウスピース自体も歯ぎしりによる摩耗を軽減する役割を果たしますが、歯ぎしりが特に強い場合は、歯科医師に相談し、ナイトガードを追加することで歯やマウスピースのダメージを防ぐことができます。
・顎の筋肉を緩めるためのマッサージやストレッチを行う
就寝前にこめかみや顎周りの筋肉を軽く揉みほぐし、緊張を解くことで、歯ぎしりの頻度を減らすことができます。
特に、日中も無意識に歯を食いしばる癖がある場合は、意識的に口周りの筋肉をリラックスさせるよう心がけることが大切です。
歯ぎしりでマウスピースが破損したらどうする？
インビザラインのマウスピースが歯ぎしりによって破損した場合は、すぐに歯科医院へ相談し、新しいマウスピースの作成が必要か確認しましょう。
軽度のひび割れであれば、そのまま使用できることもありますが、大きく破損している場合は新しいマウスピースを作り直す必要があることもあります。
破損したからといって自分で補修して使用するのは絶対に避けましょう。
インビザライン治療を検討しているものの歯ぎしりが不安な方は、高知市の「アポロニア歯科クリニック」へご相談ください
歯ぎしりがあることで、インビザライン治療を始めるか悩んでいる方は、高知市の「アポロニア歯科クリニック」へご相談ください。
当院では、インビザライン専門で矯正を行っています。一般歯科も広く対応していますので歯ぎしりの影響を考慮しながら、患者様一人ひとりに合った治療計画を提案することができます。
歯ぎしりによるマウスピースの破損が不安な方や、治療中のトラブルを防ぐ方法を知りたい方にも、歯科医師が丁寧にアドバイスいたします。初回カウンセリングは無料で、Webでのご予約が可能です。
歯ぎしりがあってもインビザライン治療を安心して受けられるよう、全力でサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
