八重歯でお悩みの方にとって、インビザラインによる矯正治療は有効な治療方法のひとつと言えます。
目立たない透明なマウスピースを使用するため、治療中も自信を持って過ごせます。
しかし、すべての八重歯がインビザラインで治せるわけではなく、症状によっては他の治療法が必要になることもあります。
本記事では、インビザラインでの八重歯治療の症例、期間、費用について詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
インビザラインで八重歯は治せる？
インビザラインで八重歯を治すことは可能ですが、すべての症例に適しているわけではありません。
軽度から中程度の八重歯であれば、インビザラインで充分に治すことが可能です。
インビザラインで使用するマウスピース型の装置は透明で薄い素材でできていて、見た目が気にならず、取り外しも可能なため、日常生活に影響を与えにくい点が魅力です。
しかし、以下のような症例ではインビザライン単独では治療が難しくなります。
歯を大幅に移動させる必要がある場合
骨格の不正が原因で八重歯が生じている場合
歯周病や重度の虫歯がある場合
他の歯が複数欠損している場合
これらのケースでは、状態によってはワイヤー矯正やワイヤーとの併用が推奨されることがあります。
そのため、八重歯の状態に応じた最適な治療法を決定するために、専門医による診断が重要です。専門的なアドバイスを受けることで、治療の可否や最適な方法が見えてきます。
八重歯とは
八重歯とは、一般的に「叢生」と呼ばれる歯並びの一種です。
叢生とは、歯が十分なスペースを確保できずに重なり合い、ガタガタに並んでいる状態を指します。
特に八重歯は、犬歯（真ん中から3番目の尖った歯）が正常な歯列に収まりきらず、前方や外側にずれて生えている状態を指します。
日本では八重歯の見た目が魅力とされることもありますが、放置することで虫歯や歯周病のリスクが高まるため、矯正治療が推奨されるケースが多いです。
八重歯になる原因
八重歯になる原因はいくつかあり、主に以下の要因が考えられます。
顎のサイズと歯の大きさの不均衡
現代人では顎が小さくなりがちですが、歯のサイズが変わらないため、歯が並ぶためのスペースが不足し、八重歯が生じやすくなります。
歯の生える順序とタイミング
永久歯が生える際、特に犬歯が他の歯よりも遅れて成長することがあり、既に生えている前歯がスペースを埋めてしまうと、犬歯が正しい位置に収まらず八重歯となることがあります。
遺伝的要因
八重歯や叢生は遺伝的な影響を受けることがあり、親から子へと似たような歯並びの特徴が受け継がれることがあります。
口腔内の癖や生活習慣
指しゃぶりや舌で前歯を押す癖、口呼吸なども歯並びに影響を与え、八重歯の原因となることがあります。
これらの原因が組み合わさることで、八重歯が形成されることが多く、予防や治療のためには早期の診断と適切な対策が重要です。
八重歯を放置するリスク
八重歯は放置しておくと、見た目だけでなく口腔内全体の健康に影響を与える可能性があるため、適切な治療が推奨されます。
虫歯・歯周病になりやすくなる
八重歯は他の歯と重なり合っていることが多いため、歯磨きが十分に行き届かないことが問題です。
フロスや歯間ブラシなどの清掃補助道具を使用しても完璧なお掃除は難しいです。
このため、プラークが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また、重なり合った部分は虫歯が発見しにくいため、治療が遅れることがあり、結果的に症状が悪化しやすいことが多いです。
虫歯や歯周病が進行すると、適切な治療が難しくなり、再発の可能性も高まります。
口内が傷つきやすくなる
八重歯は通常の歯列よりも突出していることが多く、特に犬歯は尖っているため、唇や頬の内側の粘膜を傷つけやすいです。
また、転倒や事故で外から力が加わった際、八重歯の存在が原因で唇や粘膜を切るリスク、歯自体が損傷するリスクの両方が高まります。
スポーツをしている方の場合、コンタクトスポーツ中に口の中を傷つけるリスクもあるため、特に注意が必要です。
八重歯以外の歯への負担が大きくなる
理想的な歯並びでは、顎を左右に動かした際に上下の犬歯が最初に当たり、奥歯にかかる負担を和らげる役割を果たします。
しかし、八重歯がある場合、この自然な動きが妨げられ、奥歯に過剰な力がかかることがあります。
これが原因で咬合性外傷と呼ばれる歯の打撲症状や、歯の亀裂、破折といったトラブルが発生する可能性があります。
また、噛み合わせの不良が原因で、顎関節症を引き起こすこともあり、長期的な健康リスクとなり得ます。
インビザラインで八重歯を治療する方法
インビザラインで八重歯を治療する際には、複数のアプローチが考えられます。
八重歯の状態や患者の要望に応じて、以下のような方法を組み合わせて使用することがあります。
抜歯する
八重歯の原因のひとつは、顎のサイズと歯の大きさの不均衡です。
特にスペースが不足している場合、抜歯が必要になることがあります。
抜歯をすることで、歯が並ぶためのスペースを確保し、犬歯やその他の歯を理想的な位置に動かすことが可能です。
抜歯する歯の部位や本数は、個々の症例によって異なりますが、一般的には上下の小臼歯を最大4本抜くことがあります。
抜歯後、インビザラインのアライナーを使用して、歯列を徐々に整えていくことで、見た目も機能も優れた歯並びにすることができます。
歯を削る
IPR（Interproximal Reduction）またはディスキングは、隣り合った歯のエナメル質をわずかに削り、0.1〜0.5mm程度のスペースを作り出す方法です。
複数箇所に処置を行うことで歯列全体で数ミリのスペースを確保することができます。
この処置は、抜歯を避けたい場合や軽度の八重歯を改善する際に有効です。この処置はエナメル質のみを削るため、痛みはほとんどなく、治療後の回復も早い点が特徴です。
奥歯を後ろに下げる
「遠心移動」とは、奥歯を後方に移動させることでスペースを作る方法です。
これにより、犬歯が正しい位置に収まるための余地を確保することができます。
インビザラインでは、アタッチメントと呼ばれる補助装置を使い、奥歯を最大約2.5mmまで後ろに下げることが可能です。
ただし、奥に親知らずが存在する場合や、骨のスペースが不足している場合は遠心移動が難しいこともあり、可能かどうかはレントゲンをみて判断されます。
歯列を拡大する
八重歯が発生する原因のひとつに、狭い歯列があります。この場合、歯列を拡大してスペースを作る方法が有効です。インビザラインのアライナーを使用することで、歯列全体のアーチを徐々に広げることが可能です。
理想的な馬蹄形の歯列を形成することで、飛び出した犬歯を適切な位置に収めることができます。特に側方の拡大が中心となり、子どもの患者の場合は拡大が容易です。
大人の患者においても、ゆっくりと歯列を広げることで拡大を行っていきます。
ワイヤー矯正と併用する
インビザライン単独では難しいケースや、犬歯が大きく飛び出している場合には、ワイヤー矯正を一時的に併用することがあります。
ワイヤー矯正は、アライナーが苦手とする細かな歯の移動や急激な移動に対応することができ、治療の確実性を高める役割を果たします。
ワイヤーとインビザラインを併用することで、治療のスピードを速め、より効率的に歯列を整えることが可能です。ただし、ワイヤー矯正の設備が整っていない医院もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
八重歯をインビザラインで治すのにかかる期間・費用
インビザラインで八重歯を治療する際の期間や費用は、八重歯の状態や治療の範囲によって異なります。
軽度の八重歯で、犬歯がわずかに前に出ている程度であれば、部分矯正が可能です。
この場合、治療期間はおよそ半年で、費用は30万〜60万円が相場となります。部分矯正は、奥歯の噛み合わせが良好である場合に適しています。
一方、犬歯の位置が大きくずれていたり、他の歯も大きく移動する必要がある場合は、全体矯正が必要です。
全体矯正の治療期間は約2年を要し、費用は80万〜100万円程度が一般的です。
また、ワイヤー矯正を一時的に併用する場合、追加で数万円から10万円ほどの費用がかかることがあります。費用や期間は医院によって異なるため、事前のカウンセリングで確認することをお勧めします。
インビザラインで治療できない八重歯もある
インビザラインは透明なマウスピースを使用して歯を動かす矯正治療方法で、多くの八重歯を改善することができます。
しかし、すべての八重歯がインビザラインで治療可能というわけではなく、いくつかのケースでは他の治療法を検討する必要があります。
以下に、インビザラインで対応できない場合と、その代替治療法について説明します。
外科手術
八重歯の原因が骨格の問題である場合、インビザラインだけでの治療は難しくなります。
例えば、顎のサイズや位置の不正が原因で八重歯が生じている場合、歯だけを動かしても根本的な解決には至りません。
このような場合は、外科手術が必要になることがあります。顎の骨を正しい位置に整える外科的手術の前後に、インビザラインや他の矯正方法を併用することが一般的です。
外科手術は高度な技術を要するため、一般の歯科医院では対応が難しく、大学病院や専門の医療機関での治療が推奨されることが多いです。
セラミック矯正
インビザラインで対応できない場合のもう一つの選択肢として、セラミック矯正があります。
セラミック矯正は、歯を削り、その上にセラミッククラウンを装着することで見た目の改善を図る治療法です。
特に、犬歯が大きく前に飛び出している場合や、歯の大きさや形に問題がある場合に有効です。
セラミック矯正は短期間で見た目の改善が期待できる反面、歯を削るために不可逆的な処置となり、健康な歯を削るリスクも伴います。そのため、治療の適応は慎重に判断されるべきです。
八重歯をインビザラインで治療したい方は、高知市の「アポロニア歯科クリニック」へご相談ください
八重歯でお悩みの方は、ぜひ高知市の「アポロニア歯科クリニック」にご相談ください。
当クリニックでは、矯正歯科をインビザライン専門で行っており、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立てることを重視しています。
インビザラインによる治療は、目立たず快適に歯並びを整えることができるため、多くの方に選ばれています。
ご予約やお問い合わせは、お電話または公式サイトからお気軽にどうぞ。
初回のカウンセリングは無料で行っておりますので、安心してご来院いただけます。あなたのお悩みを一緒に解決しましょう。
